ちょうど1年前にコーチングを学び始めました。
そして、以前のブログにも「コーチングを教育に活かしていくぞ!」と、そんな意気込みのような内容を記事にしていました。
その時は、まだ具体的なプランは決まっていなくて、僕がコーチ・エィでコーチングを学んで、そこからリハビリ室の教育委員会の6名のメンバーへ、僕からコーチングを実践し体験してもらう。
そんなイメージでした。
この1年では、お昼休みの時間等を使って、教育委員会メンバーに対して、コーチングを実践しながら、それとなくコーチングを体験してもらいました
さて、2025年度の1年は、そのコーチング型マネジメントが、リハビリ室の教育を動かすかも知れない!そんな思いを記事にしました。
新人教育の次の段階へ
当院のリハビリ室の新人教育は、プリセプター制度を中心にOJTとOff-JTを組み合わせながら、チェックシートや症例検討会、チーム別勉強会など、年間計画を立てて実行してきました
またプリセプターと新人さんとの間で確認しあうチェックシートは、毎年のように改定を行っています。
近年では、体調管理の項目を追加したり、自主学習に関してはショート動画だけの情報収集に偏らないようなバランスを求めた項目に変更しています。
そして、教育の根幹を担うプリセプターの皆さんにも、事前のオリエンテーションの開催やそのプリセプターを支えるグループメンバーとリーダーを交えた、新人教育ミーティングを行ったりと、
年々、新人教育の体制は整ってきた印象です。
しかし、毎年のように新卒者を採用していますので、今後は若手から中堅世代のメンバーの実務と自己研鑽が、本人たちのスキルアップになるような教育を模索していました。
そこで、リハビリ室全体に先駆けて、まずはOT部門内での各疾患ごとのチームで、到達目標チェックシートを開発して、実際の臨床業務の内容と照らし合わせながら試行錯誤しつつも運用を開始しています
また、個人の能力を確認するだけでなく、自分の働く意義や自己研鑽を内省するようなコーチング的な関わりも意識しました。
加えて、教育だけではなく、チェックシートの到達具合を指標に、今ではOT部門内の病棟編成にも活かされています。
到達目標チェックシートと言う名のコンピテンシー
いま現在、OT部門で運用を開始しているチェックシートがこちらです。

このチェックシートを作成するときは、リーダーの考えだけにならないように、メンバーの皆さんにも意見を募りました
大切なのは、自らが達成したいと思うスキルを自分で提示し、そこに到達するために臨床業務に励むことですね。
つまり、自分の目標は自分で決めること。
あとは細かいところですが、文言の表記方法としては、
「〇〇を理解している」や「〇〇を把握している」などのスキルとしての理解度は問いていません。
この辺は突き詰めれば、キリがなくなってしまい、常に上には上がいる状態になります。
なので、双方で確認がしやすく、達成がわかりやすいのが、行動ベースの表記となります。
基本的な考え方としては、ルーブリック評価の要素を取り入れています。
例えば、、
□患者さんのカルテを確認する際に脳画像を確認している
□自動車運転評価に関わる高次脳機能検査バッテリーを実施できる
などの事実として、行動を取ったかどうかをチェックシートで確認して、その理解度や熟達度に関しては、リーダーとメンバーとのフィードバックでのやり取りでコミュニケーションを図っていきます
そして、その到達目標チェックシートに沿って臨床業務を行うことで、それぞれのチームが目指しているモデルに向かって成長していく過程を実感してほしいなぁと思っています。
出来なかったことが出来るようになる。専門職としての成長ってやつですね
このモデルとなるスキルが、コンピテンシーと言われる行動特性です。
イメージとしては、、、
例えば、あなたの大切な人が「脳血管疾患」で当院に入院しました。
そしてリハビリを受けることになりました。
その時に、リハビリ室の「誰に」「どんな」リハビリを受けて欲しいですか?
この問いに、パッと思いつくリハビリスタッフがいるはずです
あくまでも基準となるレベルは、当院のチェックシートなので、そのモデルとなるリハビリスタッフの行動特性を紐解いていく感じですね。
共に成長するチームを目指して
この到達目標チェックシートを作成するにあたっては、リハビリ専門職としてのコンピテンシーをチーム内で意識してもらうこと。
そして、作る過程でチーム内にコミュニケーションが生まれ、オリジナルのコンピテンシーを自分たちで作成していくことを目指していきます。
自分自身と、そしてチームとしての成長過程に、自らが関わっている所属感を感じることですね。
また、チームリーダーの皆さんには、昨年から僕のコーチングを体験してもらいましたので、このチェックシートを活用して、メンバーとのフィードバックの際には、メンバーの成長を支援する関わりが大事になってきます。
そのコミュニケーション手段の一つに、コーチングが機能すると思っています。
メンバーの教育に関わることで、上手くいくことも、上手くいかないことも、メンバーの成長が嬉しく思うことも、一方で面倒で大変なことも(笑)
いろんなことを経験していきます。
大切なことは、、、
成長するのは新人さんや若手スタッフだけでなく、リーダーや教育者もその経験とともに、一緒に学び成長することです。
やはり、コーチングの原則である、、、
・双方向性(インタラクティブ)
・個別対応(テーラーメイド)
・現在進行形(オンゴーイング)
この3つがメンバーの成長を支援するうえでは大切な要素になりますね。
少しずつ少しずつ、理解して、広がってくれたらいいなぁ
なぜ、セラピストを目指したのか?
なぜ、当院のリハビリ室で働いているのか?
仕事をしていて、モチベーションが上がるときはどんな時なのか?
以前のような、指導ありきのティーチング一辺倒の教育から
それぞれが、主体的な存在になるように!
コーチング型マネジメントが、リハビリ室の教育を動かしていけたらと思います!