ついにこの日が来ました!
運転免許センターと自動車学校との合同研修会を9月上旬に開催したんですね。
沖縄県作業療法士会の運転外出サポート班としての取り組み、外部との連携がようやく形になりました!!
今回は非常に収穫の多い研修会で、様々な意見交換を行えましたので、その内容の一部を記事にしました!!
臨床場面と実車評価の「実際」ってどうなの?
そもそも、今回の合同研修会を行うきっかけが、、、
定期的に行っていたオンラインミーティングでの、こんな疑問からでした。
「注意機能障害ってどうやって診断しているの?」
「高次脳機能障害って改善するの?」
自動車学校の指導員の方々は、医療に関しては素人ですが、僕らOTと連携を図るうちに、
この高次脳機能障害の特性に関しては徐々に理解していました。
つまり、注意機能障害や半側空間無視といったワードは知っていたのですね。
ですが、何をもって、この患者さんの注意機能障害の度合いを測るのか?
その検査はどのような事をするのか?
日々、高次脳機能障害を呈した患者さんの実車評価を受け入れていると、
ふつふつと医療現場(臨床場面)で行っている高次脳機能検査(神経心理学検査)のことも気になってきたとのことです。
そして、僕らOTも実車評価を自動車学校へ依頼をしますが、同行しない限りはどのようなコース設定になっていて、指導員の方々が、どのような視点で実車評価をしているのか?
などはまだまだわからないことが多かったです。
そこで、今回の合同研修会の意義としては、
それぞれの役割における内容を共有して、お互いの理解を高め協力関係を確認する研修会としました。
相互理解が深まった研修会!!
今回の合同研修会の参加者は、、
ちゅら島の移動を考える会に所属している、津嘉山・名護自動車学校の2校と僕ら沖縄県作業療法士会の運転外出サポート班。
そして、津嘉山自動車のキーマンである役職者指導員の呼びかけもあって、、、
なんと運転免許センターの警察関係者の方々も参加することになりました。
今回の研修会の参加者はその数30名ほどです。
場所は津嘉山自動車をお借りしての1日研修となりました!
研修会の内容としては、結構ボリュームがありましたよ!
午前中は主にOTから指導員、運転免許センターの職員へ高次脳機能障害の概要や各症状に関する簡単な講義とそれぞれの高次脳機能検査を実際に体験してもらいました!
また、これまではZOOMでのオンラインでしか、ミーティングを交わしたことがなかったので、対面ならではのアイスブレイクの意味合いも込めて、高次脳機能症状や自動車運転支援に関するクイズ大会も行いました!
これが、以外に盛り上がりまして笑
その後の、クループワークでの高次脳機能検査体験では、職種を混合して行ったのですが、皆さん、良い意味で遠慮なく、率直に意見を出し合える体験になりました!
そして、午後からは実車評価のコースを僕らOTが体験しました!
内容としては、右片麻痺の設定で、左手と左足だけで、ハンドルやブレーキ・アクセル操作をしながら、
S字クランクやバックでの駐車、段差を登り上がるアクセル→ブレーキの切り返しなどなど!
実際に体験してみて、、、
こんなにも自動車学校の指導員の皆さんが、障害特性に応じたコース設定を考えて行っていると感動しました。
例えば、左半側空間無視の軽度症状がある患者さんには左側のボールを避けて、車線変更も同時に行うコースを設定していたり、
あえて、患者さんの緊張を和らげるために、事前にオリエンテーションや会話を入れて、実車評価に臨んで貰うようにしたり、
いろんな工夫を垣間見えることができました!
そして免許センターとの連携へ
今回の合同研修会に運転免許センターの警察関係者も参加してくれました。
研修会の内容には組み込めなかったものの、立ち話では、、、
「安全運転相談」のことや
各病院から提出されている運転に関する診断書の記載内容の質の違い。
この一定の病気に関する運転関連の診断書は年々増加していて、運転免許センターの職員も対応に苦慮しているとの声を聞けました。
そんな中で、今回の研修会に参加してくれたことで、運転免許センターの方々も、
僕らOTや自動車学校の取り組みを認知しれくれたことが、連携の大きな一歩になったと思います。
それぞれで、役割や立場は違いますが、みんなが目指しているのは、「安全な交通社会」です。免許センターも一丸となって協力してくれる。
そんな合同研修会になりました。
また、運転免許センターのある警察関係者からは、
「ここまで、丁寧に評価して支援している医療機関や自動車学校があることに感銘を受けた」「そういった支援者に出会えた患者さんは幸せだと思います」という言葉は胸に来るものがありました。
やはり、僕らOTが行ってきたことは患者さんのQOLを見据えた作業療法なんだと、改めて実感できました。
今後の展望は?!
今回の合同研修会では、、
「それぞれの役割における内容を共有して、お互いの理解を高め協力関係を確認する」が主なテーマになりました。
コロナ禍を経て、初めての対面での研修会。
やはりオンラインでは感じることのできない、対面ならではの交流というのがありました。
そして、今後のちゅら島の移動を考える会としての展望は、、、
いかに自動車学校での実車評価が大事で、自動車運転評価においては、ゴールドスタンダードであることを理解できたと思います。
そのため、今後はちゅら島の移動を考える会に参加してくれそうな新規の自動車学校を検討していきたいと思います。
今回の研修会の枠を拡充することかなと思っています。
そして、運転免許センターの悩みを聞くことが大事ですね。
やはり、運転再開の法的権限は運転免許センターにあります。
僕らの運転評価や支援の共有を運転免許センターと図りながら、包括的にアプローチしていきたいと思います。