超高齢化社会を迎えた日本にとって、「認知症」はかなり身近な疾患になりました。
僕は作業療法士として、、、
症状の特徴を活かしたケアを実践し、認知症の人の反応は変わることを知っています。
どの職種よりも、リハビリスタッフが “まごころをもって”寄り添える存在になるためにも、僕自身が「認知症ケア専門士」を取得して、認知症ケアの重要性を波及したいと考えました。
そこで、今回の記事は認知症ケア専門士の概要や資格取得の条件、手続き、1次試験までの概要を記載していきたいと思います!!
認知症ケア専門士試験とは?
一般社団法人日本認知症ケア学会が認定している更新制の民間資格になっています。
認知症の人やその家族、地域に対して、認知症に関する知識と技術、そして社会資源などの情報を提供できる専門士を育成していくことを目的としています。
そうすることで、超高齢化社会の日本における介護・福祉に貢献できることが期待されています。
そんな認知症ケア専門士の受験の方法としては、昨今のコロナ禍の影響により、
・自宅のパソコンで受けられるWEB形式の1次試験と
・論述記載(小論文形式)の2次試験
・そして、合格後の倫理研修という
受験形式になっています。
ただ単に問題を解くだけでなく、状況設定のなかでしっかりアセスメントして総合的な課題解決能力が必要とされています!
資格取得の条件は?
この認知症ケア専門士を取得するために、認知症ケア学会に入会する必要はありません。
条件としては、、、
ご自身の過去10年間で認知症ケアに関わる「施設・団体・医療機関」の実務経験が3年以上を有する者とされています。
これは、認知症専門病院に勤務している必要はなく、
また介護福祉士や看護師といった国家資格を有していなくても、受験が可能です。
ただし、ボランティアや実習などは含めれないとのことですので注意が必要です。
印象としては、かなり広い範囲の対象者が受験可能と思われ、
過去のキャリアにおいて育休や途中休職の期間があっても過去10年で通算3年以上の実務経験があれば、どなたでも受験資格が可能と思われます。
試験を受けるための手続きは?
まずは、認知症ケア専門士を受験するための「手引き」を購入する必要があります。
これは、いわゆる試験を受けるための「願書」でして、定価が¥1.000円です。
しかも、発売元は認知症ケア学会ではなく、ワールドプランニングという会社です(笑)
願書の購入は、基本的にはネット注文かFAXでの注文になります。
https://www.worldplshop.com/shopbrand/ct26/
余談なんですが、、、
このワールドプランニング会社からは願書だけてなく、なんとセットで標準テキストも販売しているという、出版社でありながら、認知症ケア学会の事務手続きも担当しているらしいですね。
ちなみに、僕はフルセットで購入した次第です(笑)
しかも、後日気づいたことですが、この願書は街の本屋さんでも置いていることがあるので、なんかわざわざネットで買わなくても良かったんじゃないかと思いました。
こんな感じで、本屋さんの認知症コーナーの一角に置いていました~
そして、願書(手引き)を手元に用意できましたら、
今後は、職場の協力が必要になります。
それは、所属している職場や過去に認知症ケアに携わった、職場の実務証明書が必要になるんですね。
書類に沿って、必要事項を記入して、最後に施設代表者の証明印鑑を押してもらいましょう。
あとは、1次試験は4分野から出題されるようになっています。
そのため、1分野ごとに受験料¥3.000円がかかる仕組みになっています。
ですので、4分野を一気に受けると¥12.000円の受験料がかかります。
その受験料を指定されたゆうちょ銀行の口座に振り込んで、振込用紙のコピーを指定書類に貼り付ける必要があります。
新規で受験を申請する方は、、、
・認定試験受験申請書
・実務経験証明書
これらの2部の書類をそれぞれ2枚ずつコピーして、1次試験用の封筒(黄色)へ入れます。
※原本となる書類とそのコピーとなる書類が2枚ずつですね。
1次試験の仕組みについて
2次試験に挑むためには1次試験で4分野それぞれの合格が必須になってきます。
その4分野というものが、
①認知症ケアの基礎
②認知症ケアの実際:総論
③認知症ケアの実際:各論
④認知症ケアにおける社会資源
注意点として、4分野のうち1分野だけ不合格となっても、次回の1次試験では、この不合格となった1分野だけ受験することになります。
これは、かなり優しい制度だと思います!
つまり、例えば「④認知症ケアにおける社会資源」が苦手として、仮にこの分野だけ落としてしまっても、次回チャレンジする際は、この「④認知症ケアにおける社会資源」の分野だけ、集中して受験することが可能です。
ですが、それぞれの分野には合格してからの有効期限が存在します。
それは、各分野ともに合格から5年という期限があります。
申込みから1次試験当日までのスケジュール
今回、第18回(2022年)の認知症ケア専門士認定試験を受けました。
その大まかな1次試験(Web形式)までのスケジュールが、、、
受験申請期間 | 2022年3月10日~4月11日 | この間に願書を取り寄せ、記入し提出します ・実務証明書、本人写真、願書の記入、1次試験の受験料(4分野)を郵便局orATMで¥12.000円の支払い |
受験票投函日 | 2022年5月30日 | 受験申請の書類が通れば、受験票が届きます その受験票に受験番号やWeb試験の案内が記載されています |
事前動作確認期間 | 2022年6月9日~7月1日 | 受験票に記載されているURLかQRコードから、Web試験会場にアクセスして、受験番号とパスワードを入力。 さらに登録している電話番号を入力しての2段階認証にてログインできます。 そして、事前動作確認期間では4問の模擬試験を受けれます |
試験実施日 | 2022年7月10日 | 事前動作確認の時と同じ手順でログインしてWeb試験を実施します |
事前動作確認期間では、当日使用するパソコンやタブレットを使用して、スムーズに操作が行えるかの確認をします。
受験票に記載されているURLもしくはQRコードからアクセスして、Web試験会場に入ります。
そこでは、受験番号とパスワード(受験票に記載あり)を入力して、さらに登録している電話番号の入力から2段階認証を経て、本人専用のマイページへたどり着きます!
事前動作確認期間の面白いところは、本番さながらの模擬試験を4問実施できます(笑)
そして、4問を実際に解き、解答まで確認することができます。
Web試験ですので、ネット環境が大事になってきますね。
認知症ケア認定試験事務センターが推奨している、ネット環境としては、、
ちなみに、認知症ケア専門試験が初めてWeb試験として開催された2020年の際は、サーバーダウンというトラブルもあり、試験が中止となりました。
そんなこんなで、当日のWeb試験というのは時間制限もありますので、フリーズしたら元も子もないですからね。
ネット環境の事前動作確認は大事になります。
推奨している通信速度は「100MB」としていますが、僕が自宅で受験した時の通信速度は、「10MB程度」でした。
それでもスムーズに試験を行うことができました~~
1次試験までのまとめ・要点
認知症ケア専門試験を受けるための条件としては、、
・認知症ケアに関する実務経験が3年以上必要です
・1次試験の半年前までには願書を用意しましょう
・必要事項を記載して受験料(¥12.000)を支払いします
・Web試験が受けれるネット環境とパソコンが必要です
僕は実際に第18回(2022年)を受験してみて、手続きや手順などは、そこまで難しくなく要件を満たしていたら、比較的スムーズに受けられると感じました。
次回は実際のWeb試験の様子や雰囲気、テストの難易度や範囲などを記事にしたいと思います!
では、また