今回は沖縄県作業療法士会の中の特設委員会に位置付けられている
「沖縄の移動を考える作業療法委員会」について記載していきます。
よく周りや県士会員の皆さんからは、略して「移動委員会」と言われています~
そんな僕は今年度から、移動委員会の3代目となる委員長を務めています。
そして、名称の通り作業療法士として、沖縄の移動支援に関する委員会ですが、
これまでの歴史やその活動目的、取り組み内容などを紹介します!
沖縄県は車社会!?
沖縄県は自動車が主な交通手段であり、いわゆる「車社会」と言われています。
それは、平坦の道もありますが、それよりも坂道が多い島ならではの地形で、
生活に自転車を使う大人は少ないです。
また、18歳を過ぎると、ほとんどの若者が運転免許を取得するために自動車学校へ通いますし、
仕事するようになれば、1人1台の車を持つようになるんですね。
そして、自動車以外の主な公共交通機関としては、沖縄都市モノレール・路線バス・高速バス・コミュニティバス(市町村運営)等ありますが、
利用できる地域が限られている沖縄ならではの背景があります。
移動委員会を発足したきっかけ
僕らリハビリテーションを対象する患者さんにとって、車社会である沖縄での運転再開の可否というのは、社会参加の拡大もしくは狭小化の要因になることが多いです。
そのため、自動車教習所や運転免許センターとの連携体制の構築も重要であると考えていました。
そして、2018年6月より「沖縄の移動を考える作業療法委員会」を立ち上げ県内12施設の作業療法士を中心に活動開始しました。
まあ、2018年から活動をスタートしたんですが、僕自身は2019年の途中から加入したんですね。
それまでは、先駆的に運転支援を行っていた、ある作業療法士の先輩が立ち上げ時の委員長でした!
その後、今現在OT県士会の担当理事をしている別の先輩OTが2代目の委員長となり、
僕がその後を引き継いだ形になります。
もう既に、ある程度の既定路線は決まっていて、いまやるべきことも結構明確なんですね。
ですが、最初の立ち上げってどんな感じでメンバーを集めてスタートしたのか?!
そういった経緯も気になったんで、その移動員会の歴史を少し記載したいと思います。
移動委員会のヒストリー
始まりは、、、
2013年の当時、沖縄県内にあるリハビリテーション病院に所属していた
ひとりの作業療法士から始まりました!
当時はOT個人として、運転に関するリハビリや自動車学校へ連絡したりなど行っていたとのことです。
そんな時期に現在の日本安全運転医療学会の研修に参加したり、
沖縄県作業療法学会での発表や運転支援の関する大規模なシンポジウムで登壇したりなど、活動していました。
そしたら、2016年に日本作業療法士協会が
「運転と作業療法委員会」を設立したことをきっかけに、全国協力者会という形で、沖縄県の運転支援の現状を全国に伝え、各都道府県の代表者とディスカッションするきっかけがあったとのことです。
そして、沖縄県作業療法士会としても、特設委員会を立ち上げる流れになり、
のちの初代委員長となる先輩OTに白羽の矢が立ったとのことです。
ですが、いざ特設委員会としてメンバーを集めるってなると、
運転支援に興味がある作業療法士が必要になったんですけど、、、
そのときに、沖縄県作業療法学会で声をかけてきたのが、現在担当理事をされて、
そしてゆくゆくは2代目の委員長となる先輩OTとのことでした。
いま思えば、その学会で出会ったんですね(笑)
そこから2人で、運転支援を行っていそうな病院や作業療法士に声かけて、連絡をして有志を集めたそうです。
あとは、運転支援先進県と言われている岡山県に実際見学に行ってモデルケースを参考に委員会を立ち上げたと聞いています。
名前の由来
そんな移動委員会の名前の由来ですが、自動車運転再開支援のみでなく
仮に運転が再開できなくなったとしても「移動」という生活行為の視点で
マネジメントしていく能力が作業療法士には必要です。
さまざまな制度や地域資源の情報提供など『包括的な移動支援方法』を各地域の特性に
合わせ支援できるように、その想いを込めて「移動を考える会」にしています。
どんな活動をしているの?
主な活動目的ですが、
沖縄県内における障がい者の自動車運転再開支援をはじめとして移動に関する作業療法士の活動を円滑にするシステムと関係機関との連携を構築することを目的に活動しています。
そして、今現在の移動委員会のメンバーですが、
回復期リハビリ病院に所属しているOTが多いものの、急性期病院や地域の訪問リハビリで活躍しているメンバーもいて、多種多様な構成になってきました。
活動実績としては、
・自動車教習所との連携
・研修会の企画運営
・評価ツールの作成
この3つの事業がここ数年間の主な実績になりますね。
特に自動車教習所との連携に関しては、
県内の北部地区、中部地区、南部地区にまだがって、
OTが中心となり、支援体制の幅が広がってきました。
そして、2019年には県内の自動車教習所3校と移動委員会にて他業種連携を展開しまして、
「ちゅら島の移動を考える会」を結成しました!
この、自動車教習所との連携に関しては、また別の記事で紹介したいと思います!
また、移動委員会として、運転支援に関する評価ツールを作成しました!
運転評価に関する、高次脳機能検査などの項目を記載した評価ツールとなっています。
これは、あくまでもOT県士会としての推奨ですが、是非活用してください~
今後の展望!
今後の「沖縄の移動を考える作業療法委員会」の事業案ですが、
・実車評価、連携シート作成と周知
・事例検討会、研修会を企画~開催
・運転支援に関わるQ&Aのシステム構築
・運転関連機関との連携
上記の4つを主軸に活動を展開していきたいと考えています!
特に、連携シート作成に関しては、様々な病院や教習所からのニーズが高く、
ある程度統一した連携シート。いわゆる情報提供書を作成中です。
現段階では、3施設を組み合わせて修正している状況です。
今後は、試験運用をしながら実用的になれば、沖縄県作業療法士会の推奨シートとして、
ホームページなどで公表したいと思います~
また、運転支援に関わるQ&Aのシステム構築に関しては、
このような感じで、運転支援に関して、なにか困っていることがあれば、
質問して頂いて、移動委員会にて返答を行います。
さまざまな運転支援に関する疑問解決の手助けになればと思い、
今現在は、そういったシステムを作成中です。
システムが完成しましたら、今後はOT県士会のホームページやフェイスブックなどに告知したいと思います。
運転支援に関するリハビリ評価のことや、職場や病院にどうしたら、運転支援のワーキンググループを立ち上げることができるか?など、幅広い意見を集約したいと思います。
そして最後に運転関連機関との連携についてですが、、、
作業療法の可能性は幅広いですね!
だからこそ面白いですし、活動のフィールドは広がると思いました!