コーチングとはクライアントの目標達成を促進するためのコミュニケーションスタイルの一つです。
そのコーチングスキルの中でも「聞く」スキルがベースとなります。
そして、その聞くスキルでも今回は、、、
「目的を持って聞く」
このスキルをテーマに記載していきます。
Qこれまで自分の話をしっかり聞いてもらった体験はありますか?
Qあなたは相手の話を聞く能力は、10満点だとしたら、何点でしょうか?
聞いてもらえないと、、人はどうなるか?
そもそも、何のために「聞く」のか?
それは、根底には話を聞くことで「承認(アクノレッジメント)」が生まれるからです。
逆に、「人は話を聞いてもらえないと孤立感」になってしまうと言ってもいいでしょう。。
例えば、、あなたが、上司に相談しに行ったが、上司はパソコンのモニターを見つつ、キーボードを打ち込みながら、あなたの話を横耳で聞いていたとしたら、、
「自分の相談は大事に扱ってもらえていない」という感情を抱くでしょう。
それは、積もり積もると個人の存在意義に関わり、遂には孤立感に繋がっていきます。。。
なので、、
関心を持って話を聞くことで相手の自己効力感を高めることが大事です。
この自己効力感とは、、
外側で起きている事象に対して、自分が影響を及ぼすことが可能であるという感覚の事を指します。
つまり、話を聞いてもらえることで、「自分の存在を受け入れられている」という感覚が出ます。これが承認(アクノレッジメント)となり、自己効力感を高めるのです。
このアクノレッジメントに関しては、大事な概念なので、また別の記事にしたいと思います。
話を聞いてもらうことで起こる内省
チームメンバーにコーチンを行った際に、なるべくはクライエント(相手)にお話をしてもらうように、僕は積極的に傾聴を心がけます。
もしかしたら、ほとんど相槌や頷きで終わることもあるかもしれません。
そして、10分間のコーチングが終わった、最後に、、
「今日、お話してみて何か気づいたことはありますか?」と問いをします。
そしたら「自分は、〇〇について考えていたんだと気づきました」
と反応することがあります。
これは、話をすることで自分が何を考えているのかを知るという、内省が生まれています。
コーチングでは、人が話す目的には、単に情報伝達としてだけでなく、会話をすることで、自分の潜在意識が、自分の言葉として声に出して、回り回って気づきになるように、意図的に聞いていきます。
そして、この内省が生じる聞くコーチングスキルを「オートクライン」といいます。
コーチとして、聞くスキルを身につけてることで「クライアントが、自分で自分の考えを整理したり、潜在意識を顕在化」にサポートすることができます。
良い聞き手になることはコーチとして大事なスキルの一つですね。
聞くアセスメント
このページの最初に
Qあなたは相手の話を聞く能力は、10満点だとしたら、何点でしょうか?
これは、あなたはどのくらい相手の話を聞いているか?の問いになります。
現在のあなたの聞くスキルをアセスメントしてみましょう!
□人が話をしているときは、頷いたり微笑んだりリアクションを示している
□興味がある、なしにかかわらず、人の話を聞くときは注意を払っている
□相手の使う言葉やノンバーバルなメッセージを伝える能力について評価せずに聞いている
□相手が話しやすい環境に配慮して、場所をセッティングすることが出来る
□話しかけられたら、自分の作業に手を止めて相手に完全に意識を向けている
□相手が話しているときは、口を挟んだり、先走って結論を言うことはせず全部話しを終えるまで時間を取っている。
□自分と考えの違う話でも、まずは聞くようにしている
□話を聞いている最中に、別のことを考えないように、相手の話に集中している
□わからないことがあったときは、理解しているふりをせず質問している
□相手の話を正しく理解しているか確認するために、自分の言葉で繰り返すことがある
どうでしたか?
10項目中いくつチェックが付いたでしょうか?
聞くことには、話の内容だけでなく、環境や表情、声のトーン、姿勢も大事になってきます。
目的を持って聞く
コーチングの聞くスキルに大事な3つの要素があります。
それは、意図的に目的を持って聞く姿勢が大事です。その3つの要素とは、、、
・信頼関係を築くために聞く
・状況を把握するために聞く
・相手の行動を促進するために聞く
この3つの聞くスキルの要素を念頭に置くことで、目的を持って聞くことができて、効果的なコーチングとなるでしょう
コーチングの大前提として、信頼関係が成り立ったうえで対話を進めていきます。そのためには、相手に安心感を持って話してもらうための環境や姿勢が大事です。
・相手のコミュニケーションタイプに合わせて対話する
・相槌や表情など、リアクションを示す
・話しやすい環境を配慮する
相手の状況を把握するために意識することは大きく2つです
・抽象的な事象を明確にすること
→「みんな~」や「普通は~」などの本人の前提を共有する。
・本人が見えていない領域を扱うこと
→言葉と態度がマッチしているかどうか?相手の言葉のトーンや調子、行動は一致しているか?聞いていて無理していないかどうかなど。コーチが感じたことをフィードバックして聞くこと。
相手の目標達成に向けて、主体的な行動を促します。
そのためには、相手の物事の捉え方はどうなのか?どのような姿勢なのか?価値観は?強みは何か?などを聞いていきます。
※アカウンタブルとヴィクティム
アカウンタブルは当事者意識を持っている状態であり、「自分の起こした行動や結果は自分が選んで自分の意志で引き起こしたものだ」と考えています。そのため、たとえ不本意な結果でもあっても素直に受け止め改善策を見出す傾向にあります。
ヴィクティムは被害者意識を持っている状態であり「この結果は、誰かのなにかのせいであり自分に責任はない」と考えます。なので周りに改善を求めたり、不平不満を言う傾向にあります。