沖縄の運転支援、10年の軌跡とこれから
〜運転外出サポート班の10年と、これからの挑戦〜
はじめに:10年続けて感じること
10年この活動を続けてきて、感じていることがあります。
それは、黎明期から活動を支えてきてくれた先輩作業療法士の皆さんの“熱意”が、確実に今へと受け継がれているということです。
もともとは、一つひとつの臨床現場で感じていた「運転支援のモヤモヤ」でした。
それが今では沖縄全域へと広がりを見せ、
- 協力してくださる自動車学校
- 公安委員会(運転免許センター)
との連携につながっています。
こうした取り組みが、安全な車社会の実現や、障害を呈した患者さんの移動支援の一助になっていると感じると、
作業療法士としての社会的役割の大きさと意義を改めて実感します。
活動の原点:一人の作業療法士の想いから
この活動の原点は、当時沖縄リハビリテーションセンターに勤務していた、一人の作業療法士の想いから始まりました。
沖縄という自動車社会において、「移動」をどう支えるか。
その課題意識から、運転再開支援の必要性に目を向けたことが、すべての始まりです。
そして2017年、県内の実態を把握するためのアンケート調査が実施されました。
当時は、運転支援の状況は十分に可視化されておらず、
まずは「現状を知ること」からのスタートでした。
約10年の継続で築かれてきたもの
それから約10年。
現在では、
- 自動車学校との連携
- 運転免許センターとの関係構築
- 合同研修会の開催
- 実車評価につながる流れの形成
など、確実に基盤が整ってきました。
特に、「顔の見える関係性」ができてきたことは、大きな前進だと感じています。
かつては手探りだった取り組みが、
今では“仕組み”として少しずつ形になり始めています。
2026年度の活動計画:3つの柱
今年度の活動は、大きく3つの柱で進めていきます。
① アンケートの再実施(最重要テーマ)
2017年の調査から約10年。
改めて現状を可視化し、
- 過去との比較
- 現在の課題抽出
- 今後の戦略立案
へ繋げていけたらと思います!
これは、
**“次の10年を見据えたデータづくり”**でもあります。
② 連携と支援の質の向上
- Q&Aシステムの定着
- 事例検討会・研修会の実施
- 自動車学校・免許センターとの連携強化
などを通して、県内の運転支援の“底上げ”を図っていきます。
どの施設でも一定水準の支援が行えるようにすることが、重要なテーマです。
③ 離島支援の本格化
今年度の大きなチャレンジが、離島支援です。
沖縄という地域特性を考えると、
離島における移動支援は非常に重要な課題です。
現在、
- 宮古島
- 石垣島
といった地域への支援が動き始めています。
宮古で生まれつつある新しい流れ
沖縄の運転支援を考えるうえで、課題となるのが離島支援ですが、
大事なことは、「島には島の運転がある」ということです。
地域特性を汲み取った支援が広がっていくことが、今後も沖縄における運転支援には大事かなと思っています。
脳血管障害を呈した後も、
島内で高次脳機能評価を受けることができ、
さらに適切な実車評価につながる。
この流れが実現していくことこそ、
島が多い沖縄ならではの運転支援のかたちだと感じています。
そして何より、県立宮古病院から“熱い想いを持った作業療法士”が運転外出サポート班に加わってくれたこと。
この出会いが、宮古での新しい流れを生み出していることを、とても心強く感じています。
最後に:これからの10年へ
2016年の一人の作業療法士から始まったこの活動は、
気づけば約10年の継続となりました。
そして今、
- データに基づく再評価(アンケート調査)
- 連携の深化
- 離島への展開
という、新たなステージに進もうとしています。
沖縄という地域において、
「移動」は単なる手段ではなく、生活そのものです。
その人らしい生活を支えるために、
作業療法士として“移動”にどう関わるか。
これからも現場と向き合いながら、
一歩ずつ積み重ねていきたいと思います。



