「OTの役割ってなんだと思いますか?」
そして、今日 あなたが行った作業療法は
「誰の」
「何の」
「問題を」
解決するために行いましたか??
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このブログを見てくださっている皆さんの中には、きっとOTの方もいるでしょう。
特に急性期リハビリに携わっているOTは、その医学的な知識やリスク管理的な関わりが強いがゆえに、
作業療法特有の個別性が高く、対象者と共に協働実践を行えていないことにジレンマを抱える事が往々にしてあると思います。
特に、病院内の他職種からもPTとOTの違いが分からなかったり、
取り敢えず、リスク管理のもとに離床を進めていくだけであったり、
患者さんは作業療法が何なのか分からないから、なんとなく手のリハビリ、生活のリハビリと思ってしまったり、
そうしているうちに、状態が良くなったら回復期リハビリテーション病院へ転院したり、
と、作業療法士自身が「職業人としてのアイデンティティ」を形成出来ずに、目を背けたまま、ただただ経験年数だけが経過してしまう事があります。
そうなってしまうと、「意味のある作業療法とは?」を自問自答せず、日々の業務に追われてしまう自体に陥ってしまいます。
そんな、僕は急性期リハビリのOTとして、10年目となりました。
それでも、作業療法の素晴らしさや面白さ、そしていい意味での曖昧さを感じながら、意味のある作業療法を目指して取り組んだ内容を一部記事にしました。
急性期リハビリの始まりはICUから!!
症例は70歳代の男性で、入院前は完全自立の独居生活を過ごしていました。
趣味は釣りで、運転免許証は既に返納していました。
そのため、近所のスーパーや趣味の海釣りまでは自転車で移動し活動していたとの事です。
キーパーソンは妹さんと弟さんで関係性は良好な印象です。
今回の現病歴としては、朝から胸痛を自覚して救急要請し当院へ救急搬送となりました。
救急医が心臓疾患を疑い、直ぐに循環器内科医へコンサルタントしました。
そして緊急でCAG(冠動脈造影検査)を行い、続けてPCI(経皮的冠動脈形成術)を施行も、術中にVF(重症不整脈)が出現してカテーテルの通過も困難となりました。
そのため、人工呼吸管理+ECMO(体外式膜型人工肺)+テンポラリー(体外式ペースメーカー)を挿入しCABG(冠動脈バイパス術)へ切り替え手術を施行しました。
その後の経過としては、、
ICU管理(2週間) | 全身状態管理とベッドサイドリハビリ 覚醒状態も不安定でJCUはⅡ群レベル |
HCU管理(4週間) | 人工呼吸器を抜管してNPPV(マスク型の呼吸器へ) そして、ネーザルカニューラへ変更 車椅子離床が進んで介助での立位が可能になった |
一般病棟(1ヶ月半) | 食事開始し鼻からの経管栄養の管を抜去。 ADLは車椅子レベルから歩行へ |
そして、上記の経過に伴った目標設定としては、、
ICU管理(2週間) | 車椅子レベルでの施設入所(生命予後が不安定) |
HCU管理(4週間) | 介助量軽減、食事摂取目的での回復期リハビリ病院への転院(状態安定、繋ぎ) |
一般病棟(1ヶ月半) | サービス利用しての自宅退院、独居生活の継続(患者から生活者へ) |
かなりざっくりと記載しましたが、一時は生命予後が不安定な状態から、歩行訓練が出来るレベルまで改善しました。
そして、状態的にも安定してきたので、いよいよ自宅退院を見据えたリハビリテーションが必要になってきます。
その時の問題点としては、
・家事、買い物などIADLの耐久性
・金銭や服薬などの生活管理能力
高次な作業能力など
の確認が必要でした。
プログラム立案と作業療法というアプローチ
そうなってくると、プログラムの立案としては、
・患者さん本人に作りたい料理を考える(野菜チャンプルー)
・必要な食材、調味料、調理器具をリストアップ
→食材や調味料に関してはスーパーのチラシを用いて予算を決める
・調理工程を記載する
を患者さんと一緒に考えて行いました。
そして、外出評価するためには、各部署へ事前準備のアナウンスが必要でした。
外出前
①部署長へ外出評価の許可を確認。いつ?どこへ?何時から何時まで?
②主治医へ外出許可の確認(どのくらいの距離を歩く、運動負荷的な観点から)
③病棟看護師、師長へ外出許可をいただく(緊急時の連絡方法、安全性など)
④外出用の靴や着替えの準備を家族に依頼する
外出当日
④患者本人が外出許可書を記入する
⑤担当セラピストはスマホや血圧計などを持参して外出
⑥想定していた時間よりも超過する場合は一旦連絡の約束
この行程を経て、ようやくリハビリテーションに作業療法というアプローチがあり、
その作業療法として、患者さんの自宅退院を見据えた買い物活動という外出評価があるんですよ~っと、病棟スタッフや医師へアピールしました!
いざ買い物へ
そうしてようやく、近隣にあるイオンモールへ患者さん、担当PTと一緒に外出&買い物評価をしに出掛けました!
まずは院内を出て
道を渡りイオンモールへと向かいます
そしてイオンモールの入り口へ
店内に入りスーパーマーケットへ
店内では、事前に打ち合わせした食材や調味料を探しました
レジでは患者さんにとって初めての自動精算機を使いました
そして、食材などを袋詰めして病院へ戻ります
この時、右手に持っている買い物袋は約1.5kg程度ありますが、帰り道も大きくふらつくこと無く移動出来ました!
出発から、イオンモールへの移動と買い物、戻りの歩行など、トータルでかかった時間は約2時間半かかりました。
それでも、自宅退院を見据えて患者さん自身の成功体験と自信を取り戻すためには必要な介入であったと思います。
調理評価の実践
そして、イオンモールで調達した食材を翌日には調理評価として活用しました。
その調理評価のポイントとしては、プランニングから調理実践の遂行機能を確認します。
遂行機能評価(計画→実行→確認→対策)
・手順や工程など献立通りに進んでいるか?
・調理器具操作やキッチン周りの動きは円滑か?
・作業耐久性(注意や体力)は保てているか?
実際の様子としては、丁寧に食材を切って
味付けをして、炒めたりして、人数分を取り分けて
そして、最後はリハビリ見学に来ていた、キーパーソンの妹さんと弟さんと3名で
久しぶの食事となりました。
家族のほっこりする瞬間に立ち会えてよかったなぁと思いました。
OTとしての情熱やリハビリマインドってすんごく大切なんですよね。
退院前に実際、家に帰れるかどうか微妙な患者さんの自宅周りの環境がきになるからグーグルマップのストリートビューで見たり、
退院後の、患者さん宅の近くを通った時に、洗濯物が干されていて、無事生活していると思うとちょっと嬉しくなったり。
ただ、毎日が忙しいから、患者さんをこなすとかさばくとか、そんな発想になりがちですけど、、
思いやりを持って関わることが大事ですよね。
そういう情熱のあるOTが伸びると思っています。
何年たっても尊敬できるOTってそんな方々ですね。
僕もそうなりたいとおもって、だから10年目だけど忘れずにここまで来ています。
「作業療法の曖昧さを引き受けるということ」
改めて、「OTの役割ってなんだと思いますか?」
やっぱり急性期病院といえど、作業療法士だからこそ出来る関わりがあると思います。
そんなOTって、「患者さんのちょっと先の未来を考えてあげる職業」だと僕は信じています。
担当している患者数が多くなったり、関連する書類業務が重なると、どうしても、こなすとかさばくとかってなってしまうんですよね。
そうなってくると、仕事は基本楽しくないです。。
でも、作業療法を楽しく出来るOTであろう!っと自分に問いています。
OTっていい意味で曖昧で、やりがいって自分で見つける事が大切ですね。
いつになっても短絡的に答えずに、、
もっとよい作業療法はないのか?
考え続けるOTでありたいと思います。
「作業療法の曖昧さをひきうけるということ」という、タイルとのまんま
作業療法って実態のない学問だと思います。
だからこそ奥深さや味わいのある職業じゃないのかなぁと思うこの頃。
著者が僕の出身養成校の教員ですし、書籍の内容の舞台が沖縄でしたので、すごく親近感がありました。