ADL関連

リハビリ・栄養・口腔連携加算~部署内のここだけの話編~

前回の記事では、多職種とのリハビリ栄養口腔連携加算の取り決めをどのように行ったか?を記事にしました!

そして、今回はリハビリ栄養口腔連携加算の中心をなす、僕らリハビリスタッフへの部署内のマネジメントとマニュアル策定について記事にしました!

働き方が変わることに対する不安や不満

今回(令和6年度)の診療報酬改定でリハビリ栄養口腔連携加算の取り組みを開始してから、リハビリ室の体制が大きく変わったことが2点あります。

・土日祝のリハビリ介入を平日並み(8割以上)にすること

・専任や専従のリハビリスタッフは1日9単位の取得制限があること

特に、土日祝に該当病棟のリハビリ介入における単位数を平日の8割に保つことに関しては、一部の病棟チームメンバーだけの介入では補えないため、部署として全員で取り組む必要がありました。

そんで、ここからがややこしい話でして、、、

当院では脳血管疾患病棟と循環器内科病棟の2病棟を連携加算の該当病棟としていたため、

当初はリハビリ部署の病棟チーム制の利点を活かして、該当病棟のメンバーのみ勤務調整をして、土日祝に出勤してもらう体制を整えることが手っ取り早い感じでした。。

ただ、脳血管チームにも、そして循環器チームのリハスタッフの中にも、

家族との時間や土日祝にプライベートな用事で休暇を取るスタッフもいます

なので、それはそれは、揉めましたね。

一方で、土日祝に該当病棟の申し送りを受けるリハビリスタッフに関しても、、、、

その日の新患の初期評価介入やリハビリ優先度が高い患者さん(自宅退院出来るかどうかの瀬戸際)など、それぞれの事情というものがありますので、

連携加算の単位数確保のためだけに、自分の臨床業務を脇に置いてまで、介入することに関して納得がいかなかったり、慣れない疾患への対応(特に心リハや重介助の脳外リハ)への不安がありました。。。

専従や専任のリハビリスタッフの業務内容

一方でそれぞれの脳血管疾患病棟と循環器内科病棟には、PTとOTの2名ずつ、専任と専従のリハビリスタッフを配置しています。

そのリハビリスタッフは、その該当病棟をメインに患者さんのリハビリ介入だけでなく、

病棟看護師や介護士とのADL連携や管理栄養士との連携などをしたり、

また、毎週のカンファレンスでのやり取りが必要になります

そして、リハビリ部署に戻れば、、

①毎日、該当病棟に入退棟している患者さんの把握
②ADL(Barthel Index)評価表と計画書の記載
③プロセスアウトカムの取り組み。平日と上日祝の単位数の把握
④週ごとのシミュレーション値を把握する
⑤土日祝に必要な提供単位数の算出。該当病棟への申し送り患者の調整

いわゆる、デスクワークと言われる事をして、該当病棟の管理業務を行い、一般のリハビリスタッフへ働きかけることが必要になります。

一般のリハビリスタッフの役割

一般のリハビリスタッフの役割としては、大きく分けて2つのグループとなります。

該当病棟のリハビリスタッフ

・チーム内での土日祝の勤務日数の調整 (例 :毎月、土曜日は2~3日、日曜は1~2日は出勤)

・土日祝は該当病棟の患者を中心に介入し提供単位数の増加を図る

・土日祝が休みの際は申し送りを提出する

他チームのリハビリスタッフ

・土日祝に出勤の際は該当病棟の申し送りを受けて介入する
・土日祝はシミュレーション上での必要単位数に応じたスケジューリングを行なう

やはり、該当病棟のチームには、勤務調整をしてもらっています。それでも全体でカバー出来るように、他チームのメンバーにも申し送りを介入してもらって土日祝にリハビリ介入の単位数を確保出来るようにします。

この平日の8割の必要単位数を算出するのが、専任と専従リハビリスタッフの大事な仕事だと思います。

ただやみくもに「土日祝は出勤して、出来る分だけ該当病棟の介入をしよう!!!」

っと言っても明確な必要単位数がわからないと、どのくらい介入したら達成するにか曖昧になってしまいます。

そのため、週ごとにシミュレーションを行って、該当病棟のプロセスアウトカムが達成出来るかどうかの舵取りを行う必要が専任と専従リハビリスタッフの役割ですね。

チーム間での交互協働体制を目指して!

ここまでざっくりと記載してきましたが、リハビリ栄養口腔連携加算が始まった当初は院内でも、取り決めが曖昧でしたし、リハビリ部署内でもてんやわんやで、一からマニュアル作成をする必要がありました。

専任と専従スタッフのミーティングだけでなく、リハビリ部署の全体でのパブリックミーティングも行い、幅広く意見を集約する必要もありました!

これまで経験したことのない、初めての取り組みですので、

まずは施策を行ってみて、上手くいかなければ、課題を見つけて、修正して、また施策しての繰り返しになると思います。

一旦は軌道に乗るまでは踏ん張り時ですね。

そして、いろいろとチームメンバーや全体でのパブリックミーティングを経て、リハビリ室の方針としては、、、

「チーム間での交互協働体制」を構築していくことを目標としました!

これは、、、

・土日祝に出勤している他チームメンバーは平日休みのため、その際 (平日)に該当病棟メンバーが代わって、他チームの新患対応や優先度の高い患者介入を行うようにすること。


・平日に該当病棟メンバーが他チームの臨床業務を行なった分、土日祝日に他チームメンバーが該当病棟の申し送り介入を行なうこと。

すなわち、チーム間の垣根を越えた交互的で協働的な体制を構築することを方針としました。

今は、プロセスアウトカムの数値達成に必死な専任と専従のリハビリメンバーですが、、

本来のリハビリ栄養口腔連携加算の目的は、患者さんの廃用進行を予防することや、ADL低下を防ぐための取り組みなのです。

そのため、今後は目の前の数値を追うだけでなく、

より病棟ADLに目を向けて、離床パトロールや離床後のアクティビティ提供など、

もっと本質的な取り組みになるようにしていけたらと思います~

お家のリノベーションに関する本なので、リハビリとは直接の関係は無いのですが、この本から「チーム間協働体制」のヒントを得ました。

等価値交換や共同プロジェクトについて書かれています。

一緒にプロジェクトを進めるためには等価値を交換するのではなく、双方に責任を持って共同で取り組む仕組みとマインドが必要ということを僕は学びました。

読者によっては受け取り方は様々と思います。

ABOUT ME
ganeyan
リハビリ関係の仕事で作業療法士(OT)をしています。 リハビリ関係の資格勉強に関することやマネジメントなどを勉強し発信できたらと思います!

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