マネジメント

リハビリ組織における「教育のビジョン」

僕が勤務している職場は約350床の急性期医療がメインの中規模総合病院です。

そして、リハビリテーション室にはPT30名程度、OT20名程度、ST10名程度の全員で約60名のリハビリスタッフが勤務しています。

また、ここ数年で新卒者を25名程度採用したこともあり、かなり若手の多い職場です。

そんな僕はOT8年目と、若手から中堅に足を入れ始めた時期にも関わらず、このリハビリ組織の教育委員会を担っています!

リハビリテーションを行い患者さんに還元するにも、組織に利益を生み出すためにも人材育成と教育は大事なテーマになってきます。

そこで、教育委員会の仕事に携わり2年になりましたので、これまでの経験や思ったことを記載していきたいと思います。

教育の根幹は「新人育成」の標準化です!

うちのリハビリ室では、ひとりの新入職員に対して比較的年齢の近い先輩セラピストが教育係として担当する「プリセプター制度」を採用しています。

このプリセプターというのは、臨床実習のときのバイザーのような存在ではないです。

新人さんが働きやすいように、プリセプターは間接業務を教えたり、一日のスケジュールを伝えたりなど、仕事になれるまでの間、一緒に働きながら新人さんがリハビリ業務を自立するまで支援する立場にあります。

ですが、ここ最近は、新人さんが多く入職しますので、毎年・毎回のようにプリセプターを担うスタッフが入れ替わったとしても同じレベルで新人教育が行えるようになることが大事になります。

そのため、教育の質を担保するためにも教育マニュアルをアップデートし続ける必要があり、常に現場のスタッフの意見を取り入れ、改善していく必要があります!

プリセプターの存在とは?

ここ数年でリハビリ組織の人数が増えました。そんで、スタッフが増えれば増えるほど、それだけ細かいところでの意思疎通が難しくなります。

コミュニケーションって目に見えないので余計に厄介ですよね(笑)

そんな中で、新人さんにとってプリセプターの存在っていうのは、、

ほかの誰よりも一番に新人さんの見方であって欲しいと思っています。

「指示的」な関わりから「支持的」な関わりへ。

そして「教官」よりも「共感」できる存在を目指していくことが大事です。

日々の何気ない声かけや変化への気づき、新人さんが目標としていることへの手助けや、はたまた苦悩へのアドバイスなど行っていき、お互いがリスペクトしあえる関係作りが大切になります。

教育委員会のテーマ

そんなこんなで、若手が増えたリハビリ室は課題が山積みです(笑)

どうしても、医学的な知識やリハビリテーションの質、はたまた接遇態度までもが追いついていない状況です。。。

ですが、教育委員会として、リハビリスタッフへ「あるべき姿」を提示してみんなの方向を定める事が必要です。

教育委員会が迷ってはいけないです!

教育のテーマとしては、、、

スタッフ一人ひとりが「自律」して責任感を持ちながら、それぞれの能力を発揮できる環境を整える」ことと考えています!

自律したスタッフとは?

僕たちの体調を整える「自律神経」があるように、最終的には自分自身を律する事が成長するスタッフへとなると思います。

つまり、自律したスタッフとは、

仕事における外的な要因や内的な要因にも臨機応変に対応が可能で継続的な学習ができるスタッフ」と考えています。

ここで言う外的な要因というのが、診療報酬改定などの法改正やリハビリ室のルールなどです。

また、内的な要因というのが、モチベーションであったり、人間関係や個人的な興味関心の分野などと考えます。

仕事をする上では、どちらの影響も受けますが、自分を律する事ができれば、大きく崩れることなく真摯に臨床業務に取り組む事ができると思います。

教育を組織文化として定着を目指すまで!

教育の大切さを個人や少数のスタッフが唱えても、全体へ伝わるのは難しいです。。

教育が大切なのはみんなわかってはいますが、関係のないスタッフからはどこか他人事でもあるかもしれないです。

そのために、重要と考えているのが教育をデザインすることです。

デザインと言うとちょっとカッコつけですが(笑)、、、

要は教育を設計していくことです。

その方法として、「問い」をみんなにアプローチしています。

・プリセプターの役割ってなんだろう?

・リハビリ室の新人教育制度はこのままでいいのだろうか?

・セラピストに求められる資質とは何でしょう?

などなどです。

そんな問いを小グループを組んで、ディスカッションを定期的に行っています。

そうすると、ディスカッションを通して、質問に向き合うことで、個人の認識は内省され、さらに集団の関係性は再構築されるかな〜っと思いました。

ですが、問いに対してのみんなの答えは、絶対的な正解では無いと思います!

議論やリハビリ室という関係性の中で、作り出された、『自分達にとっての現実』と捉えた方がいいかもしれないですね。

そして、その現実に気付き、向き合うことが何よりも大切になってきます。

そうして徐々に組織文化として定着し継続していく為にPDCAサイクルを回していきます。

教育委員会の目標としては、全体で取り組むことでリハビリ室の教育力は強みになり武器なったらいいなぁっと思っています!

今回、参考にした書籍です~

リハビリ組織を取り巻くマネジメントについて、経営学の視点からやさしく解説しています。非常に勉強になりました~

また、ワークショップやグループディスカッションについては、

こちらもミーティングをファシリテーションする上で勉強になりました~

その他の書籍も参考にしましたので、次回くらいに紹介します。

ABOUT ME
ganeyan
リハビリ関係の仕事で作業療法士(OT)をしています。 リハビリ関係の資格勉強に関することやマネジメントなどを勉強し発信できたらと思います!

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