うちの職場の作業療法部門のメンバーは、毎年のように新卒を採用していまして、比較的若いスタッフが多いですね。
その若いスタッフに対してのこれまでの教育としては、、、
リハビリテーションの知識や技術などを勉強会や研修会で学ぶことや、先輩から教わることを中心としていました
ですが、、、最近年度末の面談のときに、その若手スタッフのメンバーとお話をするのですが、
そもそも、組織(チーム)とは?リーダーシップとは?フォロワーシップってなんだろう?といったチームマネジメントに関することはあんまり、知らなかったりするかもしれないなぁって、感じました。
組織に参加している、メンバーそれぞれの役割を認識するための意識改革が必要かもしれないと思っています。
その意識改革を発信するのは役職者であり、リーダーやマネジャーが先導して行う必要があります!
そこで、今回はチームワークを機能し組織力を向上するための、フォロワーシップについて記事をまとめました~
常に他者との協働である
学生時代からもそうなんですけど、会社に入職しても個人プレーって、あんまりないんですよね。
僕らのセラピストの仕事は、独りよがりでは決して出来なくて、必ず他職種、先輩後輩、上司部下、担当者間など、常に誰かとの何かしらの協働作業のうえで成り立っています
いつまでも端っこで、黙って大人しくしていても、ゆくゆくは必要とされなくなるし淘汰されるかも知れないんですよね。
他者に働きかける、発信するってことは、若手のうちからも結構必要になります。
ことのときに大事なことは、チームの動きに連動するってことです。
サッカーなんかのチームスポーツは、わかりやすいですね。
みんながゴールに向かって走ってボールを回して連動しているけど
ポツンと一人で突っ立っていたらチームは機能しない場合があります
そして、それは仕事でも当てはまることで、、、
若手のときには意識して、組織のメンバーとしてのフォロワーシップという考え方と行動が大事です!
さらに、フォロワーシップを発揮できる人材が、ゆくゆくは自然とリーダーに選ばれていくし、みんなが認めていて推されていく存在になるんですよね。
フォロワーシップとは?
組織にはリーダーがいて、そしてメンバーがいます。
組織のすべての業務をリーダーが1人で遂行するのは厳しいです
なので、リーダーはさまざまな業務・課題をメンバーに割り振ります。いわゆるエンパワーメントですね
その時に、メンバーはリーダーに対して従順についていくだけでなく、必要に応じてリーダーに意見を述べることも大事です。
「組織のために考え行動しリーダーを支える」ことがフォロワーシップと言えます。
リーダーは、より大きな業務管理を扱うことが多いぶん、現場レベルの仕事に関しては、メンバーの方が詳しく把握しています。
リーダーの役割は、ビジョンを作ったり、業務のコンセプトを考えたり、仕事の価値観を見出したりと、割りかし抽象的な概念を扱うことが大事なんですね。
もっと言えば、抽象的な概念を扱い、明確な目標と詳細な計画を立案して、指示することで、メンバーは具体的なイメージができて、組織の目指す方向へ進みます!
この具体と抽象を行ったり来たりができるリーダーは強いですね。
そして、メンバーの役割としては、リーダーと価値観を共有することで、組織が進むべきビジョンを理解して、リーダーの指示に効果的に従い、組織の成果を最大化するように行動することです
これが組織で求められるフォロワーシップですね。
5つのフォロワーシップのタイプ
そのフォロワーシップにも、いくつかのタイプがあります。
大きな軸としては、積極的に関与しているか?と独自のクリティカルシンキングがあるか?の2つの特性から5つのフォロワーシップのタイプが存在します。

ちなみにクリティカルシンキングとは、物事の本質を深く考えることです。
例えば、この書類業務は、なんのために行っていて、もっと良い効率的な方法は無いのか?と根本から考えることですね
模範的フォロワー | エネルギーがあり前向き リーダーの考えを鵜呑みにはせず、自分の考えも持っている リーダーと同じ意見であれば積極的にサポートする たとえ意見が異なっていても組織のために建設的な努力をする |
順応型フォロワー | リーダー側に立ち、積極的に与えられた仕事を前向きに取り組む リーダーの意見や考えに頼る 良くも悪くもイエスマン傾向 |
孤立型フォロワー | 自分の考えを持っているが基本的にはネガティブ 現状に懐疑的で否定的であるが、代替え案は出さない |
消極的フォロワー | 受け身で自分の考えも乏しい。常にリーダーの指示が必要 |
実務型フォロワー | 風向きを気にしてそつなく振る舞う。リーダーの意見に疑問を持っても批判せず、提案もしない |
そして、いろいろあるフォロワーシップの中でも、組織やリーダーにとって最も理想的なタイプは、積極的に関与して、独自のクリティカルシンキングが可能な、、
「模範的なフォロワー」です
このタイプのフォロワーは、リーダーの考えや意見を無条件に受け入れるのではなく、組織のための最善を考えながら、自分の考えも持ち、時には提案もしながら、仕事を前に進めることができるタイプです。
良い組織には必ず良いフォロワーがいる
「組織はNo.2で決まる」
いろんな組織論などで、よく言われています。
そして、皆さんは大なり小なり、必ずいつかは、どこかのチーム・組織のNo.2になる時期が来ます。
その規模が小さくても、「組織は自分にかかっている」と思い、リーダーを支え組織に貢献していこうと前向きに取り組むと、周りが活性化して成果が伴います。
そこで、良いフォロワーと述べた、
「模範的なフォロワー」の3つの特徴を記載します。
「これまでこうだったから、これからもそうしましょう」
「先輩にそのように教わったので、根拠はわかりません」
などとはいいません。
普段から行っている仕事や業務の根本となる本質を考え、組織が機能するために、これまでの方法などに疑問を持ち、新しい方法を提案するといった独自のクリティカルシンキングを発揮します
チーム内の人間関係を構築することですね。世代が異なるチーム内での調整役を担ったり、後輩のサポートに入ったりなどです。
また、リーダーとの関係性も大事であり、リーダーの考えや価値観を直接確かめながら、リーダーの考えに共感できることは協力的に関わるコミュニケーションも大事です
リーダーも人間ですから、ミスをします。組織や他のメンバーにとって不利益な指示を出すこともあるかもしれません。
そんなときにリーダーの間違いを指摘する「勇気ある良心」が必要です。
リーダーの立場や状況を理解して、否定的ではなくより良い方向に軌道修正を図ることが大事ですね。これはアサーティブコミュニケーションとも言えます。
良いフォローワーが後のリーダーへとなる!
自分が組織にとって良いフォロワーであることは、将来いざ自分がリーダーになった際に、このフォロワーシップの経験が活かされます。
なぜなら、それは入職1年目からいきなり組織(チーム)のリーダーになることは、ほぼ無いです。
なので、みんな誰しもが最初はフォロワーから始まっています。
そんな若手のときに、特に20代前半から、人の上に立とうとする人って、ちょっと変なんですよね(笑)
若いときから、みんなが認めていて、満場一致でリーダーを任される人は稀なんですよね。そういう人は、もともと備わっている天性もものとか、これまで部活動のキャプテンをしていたとか、そういった背景があったりしますからね。
そういう人は、もしかしたら無意識的にもフォロワーシップを発揮しているかもしれません。
一方で、プレイングマネージャーなど、キャリアのある一定の段階から、ある立場ではリーダーとなり、ある立場ではフォロワーとなる状況が訪れます。
小さなチームではリーダーを努めながら、部署内や病院全体として、引いてみたら、どちらの役割も担うことになるのです。
だからこそ、良いフォロワーは、良いリーダーとなり、組織を動かすのです。
最後に、、、
「リーダーシップ論」の著者である、JPコッター氏によると、、
「上司は部下がどんな情報や助けを必要としているのか、魔術師のごとく見通し、答えを与えてくれるものだ。と多くの部下が思っている」と述べています。
ひょっとしたら中には、そのような素晴らしい上司もいるかも知れませんが、少なくとも、主任1年目の僕はまだまだマネジャーとしての能力は乏しいです。
そして、どの役職者も人間ですし、完璧な上司はいません。このような期待をするのは非現実的でしょう。
そこでどうするか?
だからこそ、組織力(チームワーク)におけるフォロワーシップの効果が大事なんですね。
フォロワーシップ研究で有名なアメリカのロバート・ケリー教授の調査によると、、、
組織の出す結果に対してリーダーが及ぼす影響は、2割程度であり、残りの8割以上は、現場で働いているフォロワーであると述べています。
そうなんです、それだけ現場で働いているメンバーのフォロワーシップが機能するとその組織の力を高めることになると言えます。
組織はリーダーだけの力ではなく、メンバーひとりひとりが、フォロワーシップを発揮して、誰もがチームを動かせる能力を秘めているということですね。

