4月になり新年度になりましたね。
今年度も医療関係の養成校を卒業し当院へ就職した医療従事者という名の社会人のみなさんが入職しました。
その数、約100名。
そして、院内教育委員会はその新入職員に対して、毎年のように新入職員オリエンテーション数日間を行っています。
そのオリエンテーションの中に接遇研修が2日間。合計で3時間程度行いました。
その中で僕なりに感じた接遇研修のあれこれを記載しました。
接遇研修は誰の何のためか?
2日間の新入職員オリエンテーションでしたが、その2日に分けて病院における接遇の概要と電話応対や患者対応などの接遇の実践などを行いました。
ただ、講師はおらず教材動画を視聴して学ぶことがメインとなりました。
一般的な会社員としての言葉つかいや丁寧語、謙譲語、尊敬語の違い、電話応対などをベースとした内容です。
内容は至極真っ当なことを言っていますし、とても大切なことです。
まぁちょっと気になったことは、オリエンテーションのカリキュラム数が多くスケジュールの問題もあり、動画視聴が1.5~1.75倍速で流す事になったため、
電話応対は「丁寧にゆっくり話しましょう」と喋る講師の口調が早口になっているという。
ギャグかなと。
まぁそれは置いといて。
その後の接遇演習でも接遇のテーマの沿ったグループワークを行ったりと、それなりに効果があったかどうか。
んんん~~~
新入職員のスキルにつながったら良いのですが、研修を開いた教育者側の自己満足になっていないかが心配です。
つまり、誰の何のためかは、、、
患者さんやその家族だけにフォーカスを当てるのではなく、
接遇研修を受けた新入職員のための接遇研修なのです。
それは、患者満足(Patient Satisfaction)よりも従業員満足(Employee Satisfaction)のほうが患者さんが移り変わる中でも普遍の、核となるスキルだからです。
あなたは部下のことを「さん付け」で呼んでいますか?
まあこれは、どこかのネット記事で読んだ、うる覚え内容の記事であり、多分タイトルもパクっています。
ご容赦ください。
ですが、気持ち的には半分本気です。
うちの部署に入職する新人さんは、、、
社会人として、ましてや医療従事者として、国家資格を有している、ひとりの専門職なんですね。
もはや学生ではないですし、臨床現場のフィールドに立てば一人前のセラピストとして、患者さんのリハビリテーションに取り組む必要があります。
でも、一人前の知識、技術、態度に不安がある。。。
それは、やはり部下にとって、上司との関わりから自尊心が保たれることもあると思います。
上司にテキトーに扱われたり、あの人だけニックネームで呼ばれ、自分は粗雑な呼び方、などなど。
上司のマネジメントスタイルは色々あります。
が、僕はポジションを取るなら、、、
改めて、患者満足よりも従業員満足を支持しています。
PSよりもES
・全スタッフとは別け隔てなく接する。
・後輩や部下でも「ですます調」で話すようにする。
・誰に対してもさん付けは意識している点です。
普段の挨拶にしかり、コミュニケーションにしかり、
スタッフと共有する時間をより大切に丁寧な対応を心がけたいところです。
患者<スタッフに関しては、賛否両論あるのは重々承知しています。
これだけ大きくなった組織、そして医療業界の古い体制であれば、患者中心主義もわかります。以前の上司もそうでしたし、患者さんを大事にする気持ちも必要です。
本当に大事なことは影響力のある人が前に出て話すべき
病院への投書(クレーム)のほとんどは言葉つかいや態度など接遇がメインです。
もちろん、医療技術的なことや外来受診の待ち時間が長いなどは一部ありますが、経験を積んだり、システムとして改善傾向にあります。
問題はやはり人と人との関わりからくる接遇。
その接遇研修を動画教材で、どこの誰か知らない、それなりのかっちりしたスーツを着た常識人に当たり前のことを言われる。
本当に大事なことは、その組織で影響力のある人物が前に立ち、自分の言葉として訴えかけるように新入職員、病院スタッフに伝えなければならないと思います。
動画ですと、、内容は真っ当ですが、温度がないです。
接遇が投書であがってくる一番の問題であるならば、なおさら思いは言葉にして熱を帯びて伝える。
何を言うのかじゃなく、誰が言うのかで、皆の行動は変わるのかな。
っと僕なりに感じた接遇研修でした。