今年の5月に琉球リハビリテーション学院で開催されました「第18回沖縄県作業療法学会」に参加して領域別研修会で運転支援に関する発表を行いました。
ここ数年はコロナ禍の影響もあり、対面でのディスカッションは久しぶりでしたので、なんだか活気があり、ワクワクした学会でした。
そこで今回は僕が所属している運転外出サポート班の変遷と現在の取り組みや今後の展望を記載したいと思います!!
特設委員会から常設の組織へ
始まりは2018年に沖縄県作業療法士会の特設委員会として「沖縄の移動を考える作業療法委員会」が発足しました。
過去に記事を書いていますのでご参照ください
発足した目的は運転支援に関わるOTの育成や情報共有、そして免許センターや自動車教習所などの運転関連機関との連携が出来るよう、専門職の団体として組織を立ち上げて活動していく事としていました。
また、特設委員会との位置づけでしたので、勉強会の開催や評価シートの作成など様々な活動の裁量は概ね当委員会にありましたし、採決が必要なときは直接、会長や副会長などOT県士会の役員に相談できました。
もちろん特設委員会ですので、当初は3年間の活動期限が設けられていました。
それでも移動委員のメンバーの頑張りがあり、
・その期間内に研修会を2回主催したり
・高次脳機能拠点機関の研修会で症例発表を行ったり
・高次脳検査の評価シートを作成したり
・県内の自動車教習所と連絡協議会を発足したり
・その自動車教習所と協同で情報共有シートを作成したり
などなど、そんなこんなで約4年間活動ができて、
そして、その活動実績が認められ、、、
2023年からOT県士会の地域社会局の障がい福祉支援部に所属して活動を継続しています。
一般社団法人 沖縄県作業療法士会 組織図
新しい名称ですが、これまでと同様に運転支援に関わりながら、
外出機会の演出、その対象者の参加などQOLの担保をOTが関われたらいいよね。
ってことで
「運転外出サポート班」としています。
OT県士会員のためのQ&Aシステムを運用開始!
運転外出サポート班として活動していく中である程度のノウハウや情報が集約されつつありましたので、その情報をより幅広くOT県士会の皆さんにもシェアしていく目的として、
運転支援に関して、なにか困っていることがあれば質問して頂いて、うちの運転外出サポート班で返答を行い、疑問解決の手助けになればと思いシステムを作成しました!
まずは、いろんな悩みや困っていることに関する質問をより多く集めて、最終的にはOT県士会のホームページなどにQ&A形式の掲示板として情報を掲載できたらいいなぁと思っています。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeXhx9kgOI1oudopc7zb139-nhdkuEMhnNzBtC3eyd–zl_pA/viewform
沖縄県作業療法士会 運転・外出サポート班 「運転再開支援に関するQ&A」
皆さんの職場や実際の臨床場面で困っている事があれば、ぜひアクセスして質問してみてください~~
自動車教習所との情報共有シートの完成!そして配布
高次脳機能障害者の運転支援に協力的な自動車教習所(3校)と連携を図り、
2019年からは「ちゅら島の移動を考える会」を発足しました。
年に3回程度は運転支援に関してそれぞれの専門的な視点から協議を行っていました。
そして、その高次脳機能障害という目に見えにくい病態の理解や運転への影響などを、
より分かりやすく情報共有シート(病院で言うところのサマリー的な)を双方の協力のもと2022年に作成して完成しました。
そして試験運用を経て、2023年の5月のOT県学会で配布しました~~
この情報共有シートが欲しいOTさんがいましたら、Q&Aシステムからアクセスして連絡ください!
「沖縄の移動を考える作業療法」という理念
特設委員会から いち活動班として名称は変わりましたが、、、
もはやこれは僕らの活動の理念であって原点です!
何かの事業や計画に迷ったら立ち返るべきゆえんのキーワードと思っています。
患者さんの運転や移動について考えてあげれるのは、OTだと僕は思っています。
医者がやってくれますか?
看護師さんがやりますか?
OTが考えてあげないと、患者さんは、文字とおり、露頭に迷います。
そして移動のことについて「考える」のであれば手順としては、、、
①気づく ②考える ③実行する順番となります。
つまり、気づくためには、対象者や移動支援に関わる人々の声や訴えを拾うこと、聞くことから始まります。
そのためのQ&Aシステムの確立を優先事項として進めています。
その後に県内OTの運転支援の技術やマネジメント能力を引き上げていくことですね。
これは、情報共有シートの具体的な活用をレクチャーしたり、勉強会や研修会を開催するなどして、研鑽を積み重ねていくことですね。
そうすることで、対象者さんが沖縄県のどこの病院に入院してもどの施設でも、OTが同じ水準で運転支援が行えるようになることが大事だと考えます。
それが、僕らの活動の根幹になっていると思います。