2023年11月に全国作業療法学会が沖縄で開催しました!!
なんと言っても、自分の地元で開催することに胸が高まりまして、
職場の同僚とともに参加し、多くの刺激を受けた3日間でした。
ここ数年はコロナの影響もありWeb開催やハイブリット開催などで、規模を縮小していましたが、今回はほとんど制限なしのフルオープンでの学会です!!
そこで僕自身が感じたOTの可能性や作業療法学会に行くことの意義を記載しました!
全国作業療法学会とは?
2023年は第57回目の全国学会になりまして、沖縄県では初の開催です。
おそらく、僕がOTとして臨床業務をしている間では、最初で最後の地元開催なのでは?と思いました。
そんで、主催は「一般社団法人 日本作業療法士協会」で、
運営事務局は「株式会社インターグループ」という外部委託になります。
学会の目的としては、作業療法に関するの学術集会であり
リハビリテーションや作業療法に携わる人々が同じ会場に一同に介してコミュニケーションを図る場になります。
今回の参加者は、現地とWebで合計3,000人程度の参加者とのことです。
学会の主な内容としては、、、
・基調講話
・学術発表
・ポスター発表
・研修会
・医療機器の体験会
・リハビリ、作業療法関連書籍の販売、購入
などなどです。
参加費は、日本作業療法士協会の会員、非会員、他職種、学生によって違いがあり。
また、事前登録していたか? 当日飛び入りの参加なのか? Webだけの参加なのか?
によって、参加費用が異なります。
区分 | 正会員 | 非会員 | 他職種 | 学生 |
事前登録 | 13,000円 | ※事前登録不可 | ※事前登録不可 | 5,000円 |
当日参加 | 16,000円 | 30,000円 | 10,000円 | 6,000円 |
Web参加 | 2,000円 | 3,0000円 | 10,000円 | 2,000円 |
そして、OT正会員には生涯学習ポイントが4ポイント付与されます。
主催:日本作業療法士協会
運営事務局:株式会社インターグループ
期間:11月10日(金)〜11月12日(日)
参加方法:現地、Web(オンライン)
会場:沖縄コンベンションセンター
内容:作業療法に関わる学術集会
参加費用:正会員は事前登録で13,000円 当日参加16,000円 非会員30,000円
生涯学習ポイント:4ポイント付与
会場の雰囲気は?
今回の会場は、沖縄県宜野湾市にある「沖縄コンベンションセンター」で開催しました。
沖縄コンベンションセンター共同事業体
沖縄コンベンションセンターは1987年に開館した国内最大規模の会議展覧センターとの事です。
これまでは、多くのコンサートやイベント会場で使われていました。
当日は晴れていて、11月の沖縄は暑かったです~
劇場棟では開会式や閉会式、基調講話などのメインの会場になっています。
展示会場では数多くのポスター発表や医療機器の展示物、書籍販売がありました。
会議棟では中~小規模の会議室が6つあり、どれも充実した環境設備です。
また、外にはキッチンカーも数台あり、沖縄料理の沖縄そばやタコライスなどなどが販売されていました!
学会に参加して分かったこと
今回の全国作業療法学会に参加して分かった事が、3つあります!
まず1つ目は、学会専用のアプリがある!ということです。
5~6年前に参加した全国学会では、抄録冊子を片手に会場内を歩き回って、メモしていましたが、アプリがあることでスマホやタブレットにインストールするだけで、デバイス1つで、かなり荷物が減りました。
またこのアプリが使いやすいんですね~
タイムテーブルに添って、学会の全プログラムが収録しています。
そして、マイスケジュールのボタンをタップすると
自分の興味ある発表やイベントをスケジューリング出来るのがポイントですね。
さらにさらに、気になる発表の項目をタップすると、抄録も確認できて、メモ機能もついているので、大変便利に使いました!
さすがに、アプリ開発や運営などは外部の委託だと思いますが、かなりの予算がかかったと思います。
会場費用やアプリ費用、外部講師などを考えると、、、
参加費が13,000円は安いくらいで、OT協会の運営スタッフはほとんどボランティアなのでは?と思いました(涙)
感謝ですね!
2つ目が、OTの最新トレンドを実感できるということです。
•MAL
•HADS
•3Dプリンタ
•VRリハビリ
などなど、恥ずかしながら全くと言っていいほど知らなかったです。
ですが、いろんな発表を聞いて、臨床場面で使用している評価法やアプローチなどが、
僕が普段、臨床場面で使っている内容と違っていることに気づきまして、、、
やはり最新で汎用性のある評価、アプローチを常にアップデートする必要があると感じました。
そして3つ目が、OTの多様性に改めて気づいたことです。
作業療法って、身体障害者領域や精神領域、高齢者(認知症)領域、小児発達領域、更生施設、急性期医療、回復期リハビリ、地域支援、予防介護などなど、かなり幅広く、多岐にわたると感じました。
んで、OTって優しいんですよね。
発表をしても、聞いていても、誰も揚げ足を取ったり、マウント取ったり、重箱の隅をつつくような質問をするような方はいませんでした。。
やっぱりみんな、、OTを志して、対象者に作業療法を還元している以上は、
奉仕の精神と言いますか、優しい人が多いと思いました。
今回の学会でも、お金儲けとか、自己中心的な考え(俺が治したんだぜ!!)はなく、
他者や社会の為に自分の知識や技術をどのように活かせるか?
みんな、自問自答して、悩んで、参加者みんなで考える風景がありました。
自己研鑽を続けることの意義
それは、これからの作業療法士としての「あり方」を考えることになると思います。
自己研鑽を続けるということは「自分の立ち位置を知ること」に繋がります!
皆さんは「自分自身の長所や短所って何だと思いますか⁉︎」
と聞かれた際に、どの様に答えますか? 自分自身の事を知っていますか?
では、どのようにして、自分自身の長所や短所を知ることが出来るか?
それは、、「他者との相対的な関係で決まる」
と言われています。
「相対的な関係」。。。
難しい表現ですね。
例えば、「サッカーボールは野球ボールに比べて大きい」
これは、ボールの大きさを比べた際の相対的な関係が、サッカーボールと野球ボールとの間にあります。
だからと言って、野球ボールが劣っているわけではなくて、
「野球ボールはサッカーボールと比べて投げやすい」
としたら、ボールの投げやすさの相対的な関係性は野球ボールにあります。
んで、話を自己研鑽をすることで、自分自身の立ち位置を知る事に繋がる話に戻りまして(笑)
そのOTとしての長所や短所は、他者との相対的な関係性の中で知ることが出来る!
そのためには、、外に出ることだと僕は考えます。
ことわざに「井の中の蛙大海を知らず」
とありますが、「自分の狭い知識や考えにとらわれて、他の広い世界のあることを知らないで得意げにしているさまをいう」との意味があります。
つまり、狭い世界、今の職場に閉じこもっていれば、狭い価値観でしか判断できなくなります。
だからこそ学会や研修会に参加することで、外の出来事を積極的に知ることが大事です。
そうすることで自らを俯瞰的に捉えることができる様になります。
そして、自分自身の長短所を知り、俯瞰的に捉えることで、、、
組織や社会の中で「成すべき役割」や「あるべき姿」を認識することが出来るようになると考えます。
OTの可能性
今回の学会を参加して感じたことは、OTは「多様」だと思いました。
OTとして、学校作業療法を展開している方や
OTとして、企業の職業病、腰痛などのアプローチに作業分析を用いている方や
OTとして、ロボット開発で自費リハの研究に取り組んでいる方、
その他にも刑務所などの更生施設にOTが介入していたり、
自動車教習所にOTが勤務していたり、、、
同じ「作業療法士」という国家資格なのに、働き方や活動の場、対象者へのアプローチは多種多様です。
毎日、業務に追われて一日一日が目まぐるしく過ぎていきますが、、、
いろんな、幅広いステージで活躍しているOTの方々と直に合って、お話して、沢山の刺激を受けて、
自分自身のキャリアデザインを考えるキッカケになりました。
OTって、いい意味で曖昧だし、明確に決まっていないからこそ、
その魅力や可能性を秘めていると感じた学会でした。