呼吸整理を3つの視点で捉えるシリーズ。
今回は肺の中で行われているガス交換系のついての記事です。
ガス交換をすごく簡単に記載すると、、、
肺に入った空気を酸素として取り込んで、同時に体内にある二酸化炭素を体外に放出するというメカニズムです。
ここで関わってくる臓器が、
肺胞・間質・血管などです。
より細かい世界の話になりますよ~~
ガス交換の全体像
吸気によって体内に空気を取り込み、肺胞まで到達すると、肺胞内にある酸素は血管内へ移動し動脈血となって全身をめぐります。
一方で、肺胞内には全身からめぐってきた静脈血の二酸化炭素が肺胞内へと移動して、今度は呼気として体外へと排出されます。
この体内での酸素と二酸化炭素のやり取り(移動)をガス交換といいます。
大まかな順番としては、、、
①大気中の空気を体内に取り込みます
②空気が肺胞まで到達すると、肺胞内の酸素は血管内へ移動して、血管内にある二酸化炭素は肺胞内へ移動します。
③そして体内の二酸化炭素を吐き出します
ガス交換は2ヵ所で行われている!
ガス交換というのは、2カ所で行われています。
それは、肺で行われる「外呼吸」と細胞間で行われる「内呼吸」です。
肺胞と血管で行われるガス交換。
肺胞内にある酸素を血管内の血液へ移動し、今後は血管内の血液にある二酸化炭素を肺胞内へ移動します。
細胞と血管で行われるガス交換。
血液中のヘモグロビンと結びついた酸素を細胞が受け取り、逆に細胞は不要な二酸化炭素を血液中に排出します。
ガス交換の異常は低酸素血症を引き起こす
低酸素血症の原因は大きく4つです。
・肺胞低換気
・換気血流不均衡
・シャント
・拡散障害
っと、その前に、、、
正常なガス交換というのは「肺胞内と動脈血のO₂とCO₂の値がほとんど一緒」という状態が肝要になりますので、押さえておきましょう!
◯コントロール系もしくは駆動系の障害によって、呼吸運動が低下し肺胞に出入りする空気の量が少ない状態。
◯PaCO₂の値が上昇することが特徴。
◯疾患:ギランバレー症候群、神経筋疾患、肥満による低換気症候群など
◯肺胞内の空気の量と血流量の比率(バランス)が釣り合っていない状態で非効率なガス交換となっている状態。
◯疾患:間質性肺炎、ARDS、気管支拡張症など
◯肺胞内が浸潤しているため血管は酸素を受け取ることが困難となる。
◯酸素濃度を上げたり、酸素量を増やしてもSpO₂の値が変化しにくい。酸素投与の効果が乏しい特徴がある。
◯疾患:無気肺、ARDS、肺動静脈瘻など
◯肺胞の間質が肥厚しているため、肺胞から血流に酸素が到達しにくい。
◯労作時に酸素化が悪化する特徴がある
◯間質性肺炎、肺水腫など
呼吸メカニズム3つ視点で考えるアセスメントのまとめ
ここまでのシリーズをまとめていきたいと思います。
呼吸メカニズムを3つの視点でアセスメントすると、呼吸が悪いイコール「肺」だけの問題ではないですね。
呼吸をコントロールする脳システムや呼吸運動を行う胸郭などの駆動系との関わり。
そして、ガス交換の要となる肺胞と血流の関係など、3つの視点で呼吸生理を捉えることでアセスメントがしやすくなると思います。
そのため、この呼吸メカニズムの3つのどれかか、障害されることで呼吸不全になる可能性があるということです。