どうもこんにちは。
呼吸療法認定試験の記事に関しては、かなりご無沙汰していました!
今回は、呼吸療法を勉強するにあたって大切な「血液ガス」についてです。
いきなりですが、この問題を1分以内で回答できますか?
問題:86歳男性の血液ガスの結果から、読み取れる情報として適切なものを選びなさい。
pH:7.35、PaCO2:66、PaO2:70.5、HCO3-:35.7、BE:8.9
a,呼吸性アシドーシス
b,代謝性アシドーシス
c,低酸素血症
d,アシデミア
e,アルカレミア
上記の問題が出たときに、思考プロセスとしては、
・各検査項目の基準値を覚えておく必要があること
・数値の条件と基準値を照らし合わせること
・計算式を用いて、計算を行うこと
この思考プロセスで血ガス問題を解く必要があります。
ちなみに、答えは「a呼吸性アシドーシス」でした。
血ガス関連の問題って難しいですよね(汗)
そして血ガスの計算式としては、、
ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式が有名です。
っと言う感じで、呼吸療法認定試験ではこのような血ガスの計算式は理解している”テイ”で症例問題などを解いていく必要があります。
そして、今回は呼吸状態における酸素化や循環動態を理解する上で必要な「血ガス計算式」を”理論無し”で超ざっくり解説していきます!!
図表に当てはめるだけで血ガス計算が解けちゃう⁈
結論からいうと、、、
この図表のアルゴリズムに当てはめるだけで、回答できます!!
例えば、先程の問題をこのアルゴリズム図表に当てはめて解いてみましょう。
ポイントは①pH(7.35)と②PaCO2(66)と③HCO3-(35.7)の数値を入れるだけだけです笑
それぞれの数値を入れるだけで、呼吸性アシドーシスのラインに乗っかりました!
そのため、答えは慢性の呼吸性アシドーシスとなります!
そうなんです。たったこれだけで、血ガスの問題が解けちゃうんです!
血ガスに対する苦手意識(•_•)
僕ら作業療法士や理学療法士が呼吸療法を勉強する際の血ガスに対する苦手意識としては、
・酸塩基平衡がどう?とか、
・呼吸性アルカローシスやら、代謝性アシドーシスやら
・病態によって、体内の状態が酸性に傾いたり、アルカリ性に傾いたりなど、
そもそもの基準値を覚えつつ、計算式も理解して上で試験に臨むことになります。
また、代謝性アシドーシスの指標としてはAG(アニオンギャップ)が有効と言われていますが、その計算式としては、、、
AG=(Na+)ー(Cl–+HCO3-)
※AGの正常範囲は12±2mEq/L
などなど、計算式を組み合わせながらの試験対策は大変です!
また実際の臨床現場では、血液ガスの検査結果から患者さんの状態を把握して、
運動療法やリハビリの負荷量を調整する能力が必要になるので、大事な知識となります。
基本的な数値は覚えましょう!
まず、呼吸療法認定試験で血ガスの問題を解くときに押さえておきたいことは、
血ガスに関する基本的な数値は覚えましょう!
それはこの3つです!
①pH:7.4
②PaCO2:40
③HCO3-:24
これは、血ガス分析をする際の基準値になります。
逆にこの3つの基準を覚えるだけで、先程の図表を当てはめて、
その血ガスの数値が、呼吸性なのか?それとも代謝性なのか?
そして、アシドーシス?アルカローシス?
などと数値と症状をリンクして考えることが可能になります!
実際の症例問題を解いてみよう!!
問題:自発呼吸(ルームエアー)の患者の血ガスが、
pH:7.38、PaCO2:65、PaO2:55、HCO3-:31、となっていた。
この場合の疾患として正しいのはどれか?
a,急性呼吸性アシドーシス
b,代謝性アシドーシス
c,慢性呼吸性アシドーシス
d,代謝性アルカローシス
e,どれでもない
それでは、この問題もアルゴリズム図表に沿って解いていきましょう!
ポイントは①pH(7.38)と②PaCO2(65)と③HCO3-(31)の数値を当てはめるだけです。
そうですね!答えは「c,慢性呼吸性アシドーシス」となります。
はい!ではどんどんいきましょう!
問題:87歳女性 既往に心不全あり。呼吸苦を訴え受診した。
血ガスデータは以下の通りである。
pH:7.32、PaCO2:32、PaO2:59、HCO3-:15、BE-10
この数値もアルゴリズム図表に沿って当てはめると、、
この症例は「代謝性アシドーシス」を呈していることが図表からわかります!
もう一問いってみましょう!
問題:18歳女性。友達と感情的な口論になり、呼吸回数が上昇。その後、呼吸苦と手が固まる症状(テタニー)となった。来院時の血ガスデータは以下の通りである。
pH:7.62、PaCO2:24、PaO2:50、HCO3-:24、BE2
では、アルゴリズム図表に当てはめてみましょう。
こんな感じで図表を用いることで、血ガスデータから呼吸性なのか?代謝性なのか?
そして、何性のアシドーシスなのか?などを概ね当てはめることが可能です!
計算式と図表の関係性!!
ここまで、①pHと②PaCO2と③HCO3-の数値を図表に当てはまるだけで、その患者さんの症状を特定することが概ね可能となりました!
実はこれは、ある程度予測された計算式に成り立っているとのことです。
これだけのたくさんの計算式がありますが、先人のお偉い先生方が導き出した計算式です。
それは、人間の生態生理は基本的には原理原則に沿って動いてるということです。
多少の差はありますが、「あの人だけ特別に元素が多い」とかそういうことではないみたいですね笑
やはり、計算式には様々な公式が関係しており、ある程度、予測された数値はアルゴリズムに沿っているということです。
また、pHとPaCO2とHCO3-の数値を入れるだけて血ガス分析を行うWebサイトもあります。興味ある方は見てください!
https://www.rccc.eu/ppc/calculadoras/ABG%20interpreter%20-%20calculator.htm
まとめ
今回は呼吸療法認定試験の対策の中でも重要な「血ガス分析」について、超ざっくり解説を行いました。
今回の記事を書くにあたって参考にした動画です。
現役の循環器内科医が分かりやすく解説していただいています。
専門書などは難しく書いていることが多いですが、
まずは臨床で血ガスデータをたくさん見て、自分なりに分析して、触れることですね。
そのために、この血ガスの図表を用いて血ガス分析をこなしていくことですね!
そうして苦手意識を払拭して、ゆくゆくは専門書で理論を理解することで、
より体系的な血ガス分析を行えると思います!