今年の1月に参加した「沖縄呼吸ケアセミナー」の講義内容を僕なりに解釈して記事にしました。
呼吸生理がわかると人工呼吸器のアセスメントやリハビリでの呼吸療法の理解も深まると思います。
そんな、呼吸のメカニズムを3つの視点で捉えていきましょう!
呼吸不全とは?
「大気中から酸素を体に取り入れて、体内でできた炭酸ガスを体外に放出するという肺の本来の働きを果たせなくなった状態を呼吸不全と呼びます。」
そして、血液ガスの数値で定義すると、、、
「動脈血中の酸素分圧が60mmHg以下になることを呼吸不全と定義しています。二酸化炭素分圧の増加を伴わない場合(45mmHg以下)をI型呼吸不全、45mmHgをこえる場合をII型呼吸不全と呼びます。」
一般社団法人 日本呼吸器学会 「呼吸器の病気 呼吸不全とは?」
つまり、動脈血中の酸素分圧(PaO₂)が低く、低酸素血症状態で、
二酸化炭素分圧(PaCO₂)が正常であれば、、Ⅰ型呼吸不全としており、
PaCO₂が貯留していたらⅡ型呼吸不全とのことです。
「呼吸が悪い=肺が悪い」と言う訳ではない!
呼吸というと、「肺」とイメージすることがありますが、肺だけで呼吸が成り立っているわけではないんですね。
この息を吸ってから吐くまでの間に、、脳や中枢神経系、脊髄、末梢神経、呼吸筋、胸郭、気道、肺、肺胞、毛細血管、心臓、ヘモグロビンなど、多くの要素が機能しています。
これらが、正常な機能を果たすことで正常な呼吸が成り立ちます。
逆に、この間のどれかの機能が障害されてしまうと、呼吸に異常をきたします。
呼吸システムの3つの視点とは?
呼吸を司るさまざまな機能をシンプルに3つに分類して考えてみましょう。
役割 | 部位 | |
コントロール系 | 呼吸の司令を出す | 中枢神経 |
駆動系 | 呼吸のための運動をする | 胸壁、胸膜、気道、末梢神経、呼吸筋 |
ガス交換系 | 酸素と二酸化炭素の交換をする | 肺、肺血管、間質 |
呼吸をするにはまず、中枢神経からの司令によるコントロールが必要です。
そして、中枢神経からの司令は脊髄を介して末梢神経を通り、呼吸筋を収縮させます。
呼吸筋が収縮することで胸壁が広げられ、気道を通って空気が肺の中に入っていく一連が駆動し続けます。
最後に肺に入ってきた空気から酸素を取り込んむと同時に二酸化炭素を放出するという、ガス交換で呼吸のメカニズムを理解していきましょう。
次回の呼吸のメカニズムに関する記事は、コントロール系をより詳しく記載していきます。
沖縄呼吸ケアセミナーの内容とリンクしている書籍です。
過去の呼吸療法に関する記事でも度々登場しています。
呼吸システムをわかりやすく解説していますので、参考にしました!!